ありがとう

シーサは虹の橋へと旅立ちました。

1/8の帰宅後、一昼夜を一緒に過ごし、

昨日、深大寺動物霊園で旅立ちを見守ってまいりました。

シーサが帰ってきてくれたことは本当に奇跡だと思います。

発見されたのは、行方不明となった場所から１kmほど下流。

毎朝、川辺を散歩している方のワンちゃんが突然吠えてくれた

ことがきっかけでした。

穏やかな流れのなかでシーサはいつもの寝姿で眠っていました。

体の膨張と多少の擦り傷はありましたが、２週間以上も経過して

いたのに、大きな損傷がない状態で、家に帰ってきてくれました。

皆様の思いが通じたのだと思います。

ほんとうにありがとうございました。

ご報告後、弔問や花束、たくさんのお悔やみメールやコメントを

いただきました。

今回のことがあるまで、私たち夫婦は「虹の橋」というものを

知りませんでした。

そういう世界があることを知ることができたのも、

犬飼いの先輩の皆様からたくさんのメッセージを

いただいたおかげです。

犬に関わる仕事をされている方々の愛情の深さにも

強く心を動かされました。

皆様と出会い、

犬を通した優しい絆の世界に触れることができたこと。

そして、ちょうど一年前、僕達のところに降りてきて、

そのきっかけをあたえてくれたシーサに、

改めて感謝しています。

シーサを捜索中、気晴らしに寄った本屋で手にとった文庫本。

開くと偶然、次の文章が眼に飛び込んできました。

　死ぬのが怖いから飼わないなんて、言わないで欲しい。

　おうちを汚すから飼わないというなら、
　犬はお行儀を身につけることができる。
　留守がちだから飼わないというなら、
　犬はけなげにも、孤独と向き合おうと努力するかもしれない。
　貧乏だから飼わないというなら、
　犬はきっといっしょに貧乏を楽しんでくれる。

　だけど…死ぬのが怖いからって言われたら、
　犬はもうお手上げだ。すべての犬は、永遠じゃない。
　いつかはいなくなる。でもそれまでは、
　すごく生きている。すごく生きているよ。
　たぶん今日も、日本中の犬たちはすごく生きていて、
　飼い主たちは、大変であつくるしくって、
　幸せな時間を共有しているはず。

　飼いたいけど飼わないという人がいたら、
　伝えて欲しい。犬たちは、
　あなたを悲しませるためにやってはこない。
　あなたを微笑ませるためだけにやって来るのだと。
　どこかの神様から、ムクムクしたあったかい命を
　預かってみるのは、人に与えられた、
　素朴であって高尚な楽しみでありますよと。


　（2004年2月28日朝日新聞掲載 日本ペットフード copy:児島令子）

涙が溢れました。

犬を飼う資格があったのだろうかと思い始めていたところでした。

救われたような気がしました。

シーサは　「エヘっ」　という表情をする時がありました。

「あの顔は笑っているのかな？」

妻と私は、何回かシーサの表情について話題にしました。

犬は笑うことはないが、人の顔の顔真似はすると言います。
私たちの笑顔がシーサにも伝わったのだと思います。

妻と私とシーサ、私たちの家庭には微笑みが溢れていました。

夢のような一年間でした。

ありがとう。ほんとうにありがとう。シーサ。